ゆで卵は、カラ剥きが大変!とくに半熟だと、白身も崩れやすい!
カラに穴を開けてスプーンで食べたら、そんな問題はありません。
卵のカラにスプーンが入る大きさの穴を開けるエッグシェル・カッターで穴を開けて、エッグ・スタンドに立てれば、とっても柔らかく茹でて、トゥルントゥルンなゆで卵でも、おいしくたべられます。
でも、ゆで卵専用で他の用途に使えない道具を二つもしまっておけるほど、日本のキッチンは広くありません。テーブルの上でもジャマになります。そこで、エッグシェル・カッターと、エッグ・スタンドを一つにした製品を開発しました。
製品の素材に使うジルコニアは、宝石のように硬いので、卵のカラに欠きキズを付ける事ができます。そうして、何回かクルクルと回して製品の刃を食い込ませることによって、丸い穴を開ける事ができます。
食卓に卵を出すときに、このエッグシェル・カッターにのせて出せば、転がらないし、とってもオシャレ。
食べるときにも、食べた後にも、カラをそのままにできます。
良質なタンパク質が豊富で、栄養バランスの良い卵を食べるのが、毎日楽しくなりますよ!
色々な調味料をトッピングして、創造的なゆで卵にチャレンジしてみて下さい!
殻を剥くために急いでゆで卵を冷やさなくて良いので、寒い季節にはカイロ代わりにしながら、アツアツの温かいままの状態でお召し上がり頂けます。
勉強の合間の健康的なお夜食に!ちょっとした空腹時にも卵をもっと身近に、もっと美味しく!もっとお手軽に!
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使い方
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製品の上側、卵を支える6個の半円形の部分は、カラを切る刃です。
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ここに卵をあてて、刃で表面に傷をつけるように、数回、強めに回しながら擦ります。
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少しカラが削れたら、そのまま回しながら刃を刺しこみ、カラを切ってください。
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切れ目が全周にできたら、カラの天面を取り外します。
プロジェクトの紹介
宝石のように硬いジルコニアの特徴を活かした、卵のカラを切る道具です。
ジルコニアは、医療用インプラントに使われているセラミックスです。体の中に何十年いれておいても大丈夫なほど体に優しく、生涯使い続けることができるほど、耐久性があります。
デザイン
刃の枚数:刃の枚数が多いほど、回転させる角度が小さくなります。すると、それぞれの切り込みが直ぐにつながるので、穴が綺麗になりやすいです。一方で刃の枚数に比例して、切るときに必要な力が大きくなります。
穴の大きさ d:穴が大きいほど、卵はZ方向に沈み、卵の切り捨てる部分が多くなると同時に、切るときにX方向に加える力が大きくなります。それぞれの刃に均一に力を掛けるためには、Z方向に力を掛けて、押さえつけるようにすれば良いのですが、X方向の力が大きくなると、コントロールが難しくなります。しかし、穴が小さいとスプーンが入りません。
刃の角度 θ:卵の大きさが変わると、カラにあたる刃の角度が変わります。卵が小さいほど、Z方向の力がカラにかかりにくくなるため、切り難くなりました。刃の角度は、カラに垂直が最も切れるため、小さめの卵に合わせた角度にしました。
卵のリサーチ
卵のサイズには規格があります。3ヵ国の規格を調べたところ、日本の規格が平均的な大きさでした。よって、日本の卵を基準に設計しました。
日本では、一番小さいSS(40g以上)から、S、MS、M、L、LL(70g以上)と、全部で6種類あります。40gよりも小さい卵は市場に出回りません。
ドイツでは一番小さいSでも最大53g。そこからM、L、XL(75g以上)と4種類あります。特徴的なのが、最小サイズを定めていないことです。捨てられる卵がありません。
アメリカでは意外と日本より小さく、一番小さいPeewee(約35g)から、Small、Medium、Large、Extra Large、Jumbo(約71g)までの6種類。規格の決め方は、「以上、以下」ではなく「約」です。35gよりも小さい卵を廃棄するかどうかは、業者の判断に任せるようです。
卵の上下
卵には上下があります。細い方が下です。細い方を下にした方が、輸送の際に割れにくいという理由で、上下が決まったそうです。太い方には気泡があります。
上の太い方を切ることをお勧めします。刃の角度からも切りやすい上に、カラについてくる白身も少なくなるからです。また、固ゆでにした場合は気泡がある方が、カラが白身からはがれやすいです。
会社紹介
鰹節から引いたダシの味見をしたとき、スプーンを使うよりも器から直接の方が風味を強く感じました。それによって、金属臭が風味を隠していると気づきました。金属が、酸化作用によって脂質を分解し、金属臭を発生させるからです。とはいえ陶磁器や木のスプーンは、使いづらかったり、耐久性がなかったりします。そこで、金属よりも高い強度を持つジルコニア・セラミックスでの制作を決意しました。
大量生産前提のプラスチックの加工法を応用したジルコニアの加工法は、型の中に原料を流し込む際のコントロールが難しく、製品に皺ができます。その問題に対して私たちは、この技術を手工業と捉え直して挑みました。一般的には一つの型から同時に複数の製品を作りますが、私達は一つだけにして、加工時間も長くして解決しました。自動で製品を型から剥がす機工も、製品に痕をつけてしまうため設置せず、一つ一つ手で取り出すことにしました。それに続く焼成の工程で起こる、陶磁器の場合よりも大きな変形に対しては、試作を繰り返すことで専用の台座を開発して、抑制しました。
いずれはジルコニアのカトラリーで、世界中の人に料理の本当の味を知ってもらいたいと思います。